認知症の方が名義となっている不動産を売買する場合のリスク
認知症の方が名義となっている不動産の売買を請け負います!
といったような業者がある。
売買契約の一方の当事者が認知症である場合、そのままでは不動産の移転登記ができない。
登記の専門家である司法書士は、このような場合に登記を引き受けてはいけないというルールがあるからだ。
この業者は、それを無視して登記します、というもの。
認知症など、意思表示が困難な人は、契約などの法律行為ができない(民法98条の2)。
これを無視してなされた契約は無効であり、それを知った上で契約を行った場合、関与したものは不法行為をなしたものとして損害賠償の責任を負うことになる。
例えば、認知症の母名義の不動産が子によって売却され、それを知った別の子が無効を主張して裁判になるケース。
認知症の方が名義となっている不動産を適法に売却する場合、
・事前に専門家と財産管理契約を結んでおく
・事後に後見人制度を利用する
といった方法が必要となる。