遺言書の様式
手書きの遺言(自筆証書遺言)においては、使用する紙の種類や大きさについて制限はない(紙切れやノートの一部に書くことも可能)。
もっとも、遺言者の死後に発見してもらう必要性などを考慮すれば、一定の様式に従うことが推奨される。
法務局の「自筆証書遺言書保管制度」では、遺言書の様式に以下のようなルールが定められている。
・用紙サイズ:A4(片面のみを使用)
・余白:上部 5mm 以上・下部 10mm 以上・左 20mm 以上・右 5mm 以上
・模様等:文字が読みづらくなるような模様や彩色のないもの
以上のようなルールに従って遺言書作成すれば、のちに保管制度の利用も可能となる。
もっともその場合には、ページ番号を追加する必要があるなどの細かなルールがあるので、遺言書への追加記入で対応する。
株式会社の株主に相続が生じた場合のリスク
株式会社の株主が死亡した場合、原則として、その株式は相続人に承継される。
中小企業で、経営者が株式を持ち合ってるケースなどにおいては、企業経営に影響を及ぼすことができるほどの割合の株式が承継されることが多く、その場合には、相続人が経営に口を出してきたり、経営状況を無視して配当金を要求してくることがある。
「相続人等に対する売り渡しの請求」という制度を利用すれば、このような事態を回避することができる。
具体的には、前もって定款に以下のような定めを設けることになる。
(相続人等に対する株式の売渡し請求)
第*条 当会社は、相続その他の一般承継により当会社の株式を取得した者に対し、当該株式を当会社に売り渡すことを請求することができる。
危険な相続放棄(1)
借金などの債務が多い場合に利用される相続放棄。
しかし、相続放棄によって相続人が変わることで、思わぬトラブルの原因となってしまう。
【事例1】夫が死亡して、相続人である妻と子が相続放棄する
(1) 借金が多かったので、妻と子が相続放棄する
(2) 夫の両親が相続人となる(夫の両親が借金を負うことになる)
(3) 夫の両親に借金返済の督促等が届く
(4-1) 夫の両親が相続放棄せずに3ヶ月経過 → 借金を確定的に負うことになる
(4-2) 夫の両親が相続放棄をした → 夫の兄弟姉妹(兄弟姉妹が死亡している場合はその子供)が借金を負うことになる
このように、相続放棄をした結果として、他の親族に多大な迷惑をかけてしまう場合がある。
相続放棄をする場合には、その影響を受ける親族に事前の相談をするなど、十分な準備が必要になる。
プロローグ
不動産の登記、会社の登記、その他の法律事務について、自分なりに研究・勉強したものを記事にしていきます。
まずは、一歩。