危険な相続放棄(1)
借金などの債務が多い場合に利用される相続放棄。
しかし、相続放棄によって相続人が変わることで、思わぬトラブルの原因となってしまう。
【事例1】夫が死亡して、相続人である妻と子が相続放棄する
(1) 借金が多かったので、妻と子が相続放棄する
(2) 夫の両親が相続人となる(夫の両親が借金を負うことになる)
(3) 夫の両親に借金返済の督促等が届く
(4-1) 夫の両親が相続放棄せずに3ヶ月経過 → 借金を確定的に負うことになる
(4-2) 夫の両親が相続放棄をした → 夫の兄弟姉妹(兄弟姉妹が死亡している場合はその子供)が借金を負うことになる
このように、相続放棄をした結果として、他の親族に多大な迷惑をかけてしまう場合がある。
相続放棄をする場合には、その影響を受ける親族に事前の相談をするなど、十分な準備が必要になる。